このほど、瀋陽の街中で緑色のナンバープレートを付けた吉利(ジーリー)「星耀(シンヤオ)6EF」のタクシーやオンライン配車が徐々に増えてきている。メタノール、ガソリン、電力のマルチエネルギー混用に対応できるこの車種は、生産ラインから日常の生活へと走り出している。
今年1月から9月にかけて、遼寧省の新エネルギー車の生産台数は16万5000台となり、前年同期比で23.6%増加した。自動車産業全体が厳しい状況にある中、この2桁の伸び率は上半期からの成長傾向を継続しており、遼寧省の工業構造調整における一筋の光となっている。完成車の生産開始から中核部品の量産化、部品サプライチェーンの集積から物流ルートの高度化に至るまで、遼寧省の新エネルギー車産業は、サプライチェーンを段階的に補完し、産業エコシステムの形成を加速させる道筋を歩んでいる。
生産台数の増加を直接に支えているのは、完成車メーカーの継続的な取り組みである。7月、吉利瀋陽スマート工場が正式に開所し、生産を開始した。同工場は中国東北地域初のメタノール新エネルギー車生産拠点と位置付けられ、生産される「星耀6EF」車は、北方の純電気自動車が冬場に航続距離が短縮するという課題を解決することを目指している。新世代のメタノールエンジンは、摂氏マイナス40度近い環境でも純メタノールで始動できる。9月末までに、同車種は累計2万8000台以上を生産し、生産額は17.7億元に達した。
完成車の牽引により、産業チェーンの関連プロジェクトが集積を加速させている。9月に開催された吉利東北サプライヤー連合大会では、投資総額18.6億元に上る自動車産業チェーンの重点プロジェクトが集中的に調印され、7社のサプライヤーが瀋陽市大東区に進出した。吉利側は、瀋陽工場における現地サプライヤーの割合が80%以上に達すると表明している。現在、20件余りの吉利向けサプライヤープロジェクトが相次いで進出し、投資総額は40億元近くに上る。瀋陽市は燃料供給施設の建設も並行して推進しており、すでに21カ所のメタノール供給スタンドが稼働を開始し、年末には50カ所に増設される予定であり、7月からは4億元を投じてメタノール新エネルギー乗用車に対する消費補助金制度も実施されている。燃料供給から完成車製造、さらには消費サイドに至るまで、完全なメタノール産業チェーンが急速に形成されている。