白菜、長ネギ、ジャガイモ?
いやいや、それだけではない。
北方の朝市は、はるかに多様性に富むのである。
晩秋から初冬の北方の朝市は、
生活の息吹が寒気に包まれた「宝の集積地」であり、
誰もが知る秋野菜以外に、
実は地元住民専用の冬の宝物がより多く潜んでいる。
本日は皆を連れて歩きながら観察する。
冬儲け野菜の「隠れたレア物」
山と積まれた白菜以外に、朝市の冬儲け野菜にはより豊富な選択肢が存在する。多くの野菜は地元住民及び高齢者のみが名称を知り、若年層は識別できないのである。
柞蚕(さくさん)の繭:早朝に「寝床」から引き摟り出された繭や蛹を見たことがあるか。北方の朝市では繭蛹がこのようにその場で剥きながら販売されるのである。これは北方特有の柞蚕の繭であり、秋になると野生の柞蚕幼虫がナラの木に形成する繭殻である。故に北方では秋季に山へ「秋繭を採りに行く」という言説が存在する。
芥菜疙瘩(からしなの根):注意深く観察しなければ緑皮の大根と誤認され、多くの若年層は認識しないが、高齢者に好まれる秋野菜である。芥菜疙瘩は漬物や辛い漬け物製造における「核心的原料」なのである。
倭瓜(カボチャ):学名を方瓜と称し、長円状及び球状の形態が存在する。野菜店の「常駐メンバー」であり、野菜としても主食としても機能し、調理法が多様で保存性に優れる。現在では多くの若年層が倭瓜を購入し、ジャック・オー・ランタンを制作して装饰品とする例が見られる。
作り立て販売の温かい食品
朝市の寒風の中、常に幾つかの屋台から人を惹きつける香りが漂う。揚げ鍋がじゅーじゅーと音を立て、揚げ立ての「油炸糕」は外皮が黄金色でサクサクとしており、咀嚼する際は口を火傷しないよう注意を要する。高温の内に一口食べれば非常に満足感が得られる。揚げ立ての「油条」は外側はカリッと中側は柔らかく、二本同時に食べるのが最も風味豊かである。豆花あるいは豆乳と組み合わせれば、朝市で最も经典的な「黄金コンビ」となり、生活の息吹が最高潮に達する。
農家特産品の新鮮な風味
乾燥させた豆角、茄子、キノコなど、多くの農家が自家製の乾物、漬物、醸造品を持ち込んで屋台を出店する。新鮮かつ実用的である。
豆腐皮(湯葉):朝市の農家が自家製造する湯葉は、生活の息吹に隠れた「生鮮品」である。大豆本来の清香を帯び、市販品より厚手で豆の風味が強く、秋冬の煮込み料理や和え物に適した食材である。
蘑菇(キノコ):東北地方の「小鸡炖蘑菇」が最も香り高いことを知らぬ者はおらず、これは客(「且」:東北方言で「客人」)をもてなすための主菜である。野生の乾燥キノコは鶏肉の煮込みに最適な「黄金の相棒」であり、朝市を巡回すれば大型の籠に乾燥キノコを入れて販売する農家に必ず遭遇する。ハリタケとアカハツが最良の選択肢であり、山野の新鮮な風味を有し、煮込み料理を極限まで香ばしくさせる。
ナッツ類の「三巨頭」
「パン」という破裂音と共に湯気が立ち上り、鍋一杯の栗が炒り上がる。皮は薄く果肉は大きく、柔らかくてもちもちして甘味が鮮烈である。朝市特有の炒り栗は20元一鍋、実に絶品である。炒り栗、ハシバミの実、ヒマワリの種は北方の秋冬を代表する「ナッツ三巨頭」であり、いずれも欠かすことができない。
地場産果実:新鮮な甘味を保存する
真紅の瀋陽産「寒富」大りんごは、秋季に登場するや非常に圧倒的な存在感を示す。麻袋で包装されるか、洗面器に盛られて容器ごと販売される。廉価であるだけでなく美味である。りんご、南果梨、冬棗、柿は地場産果実の「王中王」であり、大粒で新鮮、価格が手頃な上、保存性に優れるという「冬儲属性」を備える。
りんご:多くは当地で栽培される紅富士や寒富であり、果皮に微かな白い粉を帯び、噛みしめるとシャキッと甘くジューシーである。常温で1~2ヶ月保存しても新鮮さを保ち、多くの消費者が箱単位で買い置きする。我々北方人は漬物を製造する際にも2個のりんごを添加するのである。
柿:「事事如意」(柿は事事が如意となる縁起物)、たとえ食用としなくとも、北方人は数個購入して自宅のテレビ台前に飾ることを好む。もっぱら縁起の良さを求めてなのである。
活気に満ちた秋野菜の大群
この季節、朝市で最も活気のある光景は秋野菜の大群である。車両一杯の白菜が真白でふっくらと整えられ購入を待ち、結束された長ネギが整然と列を成し持ち帰られるのを期待し、地面一面に転がる大根は貴方について帰宅したくてたまらず、ジャガイモは山積みになって前方に押し寄せる。これらの秋の収穫物は農地から都市部へ運び込まれ、それらは「愛らしく美味で、質素かつ経済的」なのである。
露店商品の愉しみ
手袋が5元、帽子が10元、綿入れ上衣が30元、綿靴が50元。これらは全て朝市の露店商品である。製造工程は精巧とは言い難いが、非常に人気が高い。多くの地方からの観光客が特に朝市でこれらの露店商品を購入することを好み、100元余りで頭部から足元まで完全に防寒装備が整えられる。初冬の街路を歩いても全く寒冷を感じず、更に「掘り出し物」を入手した喜びを享受できるのである。
微かな朝焼けの中の朝市は、常にスーパーマーケットよりも数段の生気に満ちている。
地面に蹲んで取捨選択する気軽さ、購入する前に店主が笑顔でハシバミの実を一掴み手に押し込み「ご自由に試食を」と親しみを込めて言う温かみ、油条を揚げる鍋のじゅーじゅーという音と、絶え間なく響く呼び声、朝市では七分の生活の息吹が三分の人情を包み込む、これこそが生活の真実の味わいなのである。