VRゴーグルを装着すれば、白鶴に化身して大空を舞い、北宋の都・汴京へと飛び立ったり、漢代の宮殿や街中に身を置いたりと、興味深いインタラクション体験を通じて、海昏侯国の未解の謎を解明できる。観客は遼寧省博物館のデジタル展示を通して、古代の文物に「没入」し、重厚な文化的な脈絡を体感する。

　「唐宋の風華――デジタル絵境の芸術世界」展示では、超高画質かつ没入型デジタル空間によって、《洛神賦図》《虢国夫人遊春図》《秋窓読易図》《簪花仕女図》《夏景山口待渡図》《瑞鶴図》など所蔵絵画を展示。観客に視覚の驚きをもたらしている。

　「展示はホログラム、仮想現実、拡張現実、インタラクティブゲームなどを通じ、原作の美しさを再現するだけでなく、当時の繁栄をも甦らせ、観客は時空を彷徨う感覚を味わえる」と遼寧省博物館副館長の董宝厚は語る。

　ソファに横たわって、天井を見上げる観客は《洛神賦図》の世界に没入し、曹植と洛神の邂逅から別離までの絵物語を追体験することができる。《海昏侯国探秘》展示室では、五つのシーンで漢代文明の核心的な場面が描かれる。冒頭では「拱手礼」により西漢の守護者が目覚め、城壁の上からシルクロードを行き交う商隊の光景を俯瞰する；AR技術で復元した《斉論語》の竹簡の知恵に触れ、「親指小人」に化身して漢代宴席儀礼の謎を解く；最終的に地下の宝物庫へ踏み込み、ジェスチャー認識により金玉珍宝に「触れ」、編鐘が奏でる文明の楽章を聴く。各シーンはインタラクティブな謎解きを中核とし、観客は歴史の傍観者であると同時に文明の暗号の解読者でもある。