このほど、遼寧歌舞団(遼寧民族楽団)と遼寧省博物館が共同で制作した情景劇『国宝遼寧』が遼寧大劇場にて上演された。
本作は「ナイト・ミュージアム」風の時空を超える構成を取り入れ、文物の案内役である“小龍”との対話を軸に展開。舞踊や器楽など多彩な芸術表現を通じて、遼寧省博物館所蔵の『万歳通天帖』『簪花仕女図』『瑞鶴図』など、計17点の国宝級文物が展示ケースから舞台上へと“躍り出た”。
若い世代にも親しみやすい表現を目指し、制作チームは萌えキャラクター「小龍」というイメージをデザインした。これは遼寧省博物館の鎮館の宝——紅山文化の玉猪龍の化身である。「小龍」は劇中では7、8歳の子供として描かれ、ガイド役として観客を古代と現代の対話へと導く。
制作チームは、紅山文化の玉猪龍を「文物超活化IP」として広く知られる存在にしたいとしている。玉猪龍の萌えキャラ化による再創造を通じ、文化的記号から情感の共鳴へと昇華させることを目指している。
同作の衣装・メイク・小道具デザインは文物の原貌を高度に再現しており、舞台美術デザインは山河の長巻を設計理念とし、山水、雲月、大地、長巻など豊かな場面変化を形成している。照明デザインには「文物の色彩譜」が隠されており、数多くの中国伝統色を精密に再現している。