「この金魚はオリーブの種を手彫りしたもので、『年年有余（毎年余裕がある）』や『富貴有余（富と貴さが余る）』を意味し、新年を迎える際の縁起物として最適です……」朝陽市の無形文化財代表性伝承者である楊旭の工房に入ると、80年代生まれの楊旭が自身の核彫り作品をライブ配信で紹介していた。コインほどの大きさの果実の種に、花鳥風月、人物の肖像、舟や楼閣などが生き生きと彫り込まれている。

　核彫りは中国特有の民間伝統工芸である。桃の種、杏の種、オリーブの種などを用いて工芸品に彫り上げるこの技術は、第二回国家級無形文化遺産に登録されている。楊旭の工房には、桃の種を彫って作られた木船の作品が展示されている。その小さな空間の中に、前部、中部、後部の三つの船室がはっきりと見え、屋根の瓦の線や窓枠などが生き生きと表現されている。船室の両側には12の扉と窓があり、小さなピンセットで軽く触れると、すべての扉や窓が自由に開閉できる。

　「核彫りは種が小さいため、彫刻の工程が非常に複雑です。この木船を彫るのに、構想から完成まで一ヶ月かかりました」と楊旭は語る。「小さな空間に広がる大千世界！」「小さな核彫りが無形文化遺産の美を余すことなく表現しています！その技術の高さに驚嘆します！」とネットユーザーたちは次々とコメントしている。

　「私の祖父はかつて彫刻の名人でした。この技術は祖父から学びました。今、私の工房には3人の若者がいて、私と一緒に核彫りの技術を学んでいます」と楊旭は話す。「手彫りの核彫りには、生き生きとした魅力がある。もっと多くの若者にこの技術を継承し、伝統文化の宝物を代々受け継いでいてほしいです。」