最近、遼寧省博物館で開催された「山河と共に―遼金歴史文化をテーマとした文物展」において、『山弈候約図』が展示された。この絹本の山水図は、遼の墓に封印されていたもので、千年を越えて人々と対面した。

    『山弈候約図』は青緑の重彩で、色合いが鮮やかで、上部には切り立った峰が描かれ、その間に白い雲がかかっている。中部の山崖の間には松林と楼閣がある。画面の中心部には、一人が杖を持ち、前後に二人の童子がいて、山中のある建物へ向かっている。画面の左上には、すでに二人が崖の空き地で対局しており、もう一人の童子がその傍で仕えているのが見える。

    遼の絵の伝世作品は非常に少ない。『山弈候約図』の出土は、青緑山水図から墨筆山水図への移行期の作品の特徴を示すだけでなく、遼代の山水図に関する資料の空白を埋めることにもなった。